
(5)データ解析と統計
FAATCにおける初期飛行試験後Cat ?までの各飛行段階で十分な精度の得られることが決定した。従って重要な問題は国内におけるWRSの数と位置に対するWAASの覆域と性能の関係及びWAASのディファレンシアル補正のインディグリティとなった。
(a)WAAS信号の覆域
1993年12月WAAS信号欠落状態に影響される信号覆域を推定する幾つかのレーストラックパタンを飛行し、航空機のバンク角、衛星の推定仰角に関するデータ及び時間関数としての受信機SNRを記録した。旋回中航空機のロール角は±30度にもなり、この期間航空機アンテナと衛星との間の高低角は−15〜30度の間で変動した。航空機と衛星との間の高低角が負になると衛星信号が失われる。機上受信機が衛星を再捕捉するのに数分を要することがあった。Inmarsat衛星AOR−Wは赤道上、15.Wにあり、航空機が西部海岸で約121°W、37°N(Crows Landing)にあるとき、AOR−Wの仰角は水平面上9.4度となり航空機が動作中アンテナが遮蔽されるので飛行テストとしての限界となる。然し航空機が進入コースに設定されると、バンクに基づく機体表面のアンテナ遮蔽は発生しなかった。
これらの結果から、通報の喪失は( 帽匐?,?虻鄰羌‖良縮未ホWAAS信号遮蔽による。
(◆ヒInmarsat衛星ダウンリンク信号電力の不足(これはInmarsat?運用衛星では増力される)(?ヒWAAS受信機の追尾ループ捕捉スレショルドが所要値より高いことによるとの結論を得ている。運用WAASで付加GEOの追加を行えば航空機バンク角による性能劣化は緩和されるからこれは重要な問題とは考えられない。
(b)精度
WAASスペックで200ftCatIDHでの95%の水平、垂直NSEは7.6m未満となっているが、平均値+2σのサンプル量、トラックの横、縦、垂直方向の各成分共基準に適合した。
1994年6月1〜3日の3日間の飛行試験で、全3機は出来る限り同一時間に飛行した。これによりUSの東、西両海岸及びカナダの空港でInmarsatAOR−W衛星経由による同一WAAS信号受信の3機の同時比較を行うことが出来た。全3機のWAASセンサ精度は飛行試験の平均値、標準偏差及び95%測定期待精度により解析した。
統計は4NM点より接地点まで0.1NM増分で計算しデータ換算には200ft CatIDHにおける全データを含み4NMにわたるデータ平均を行なった(但しFAAのAerocommanderでは滑走路端末構造のため多数回の進入が早期復行されデータに若干のロスがあったのでデータは300ftDHで取った)レーザーが滑走路からの遠距離では精度が低下することを除き200ftと300ftとでは結果はほぼ等価である。精度結果の詳細は後程述べる。
(c)警報時間
警報時問を決めるため全通報にネットワーク中の各点でタイムスタンプを押しているが、タイム基準としてGPSを使用したので局間の相対時間精度が維持された。表3.3.1.1−3に通報の端末間経路とその通報にタイムタグを添附した点を示す。例えばタイプ
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